concept

岩山シリーズ

巨大なもの・連なるもの・一点あるもの・有名や無名にかかわらず岩山が好きです。
もちろん有名で壮大な岩山は魅力的ですが、あまり人に知られていないけれど個性的で存在感のある岩山が
特に好きです。 ただ一点そこに在り続け、凛とした美しさにとても惹かれてしまいます。

岩山を見ていると時間を忘れ色々な事を想像してしまいます。
人・集団・組織・宇宙 などなど・・・。

ロックカップで酒を飲みながら頭の中でロッククライミングや冒険の旅をしたら楽しいのではないか。
そんな想像から岩山シリーズは生まれました。


練上

産地・色・質感等異なる土を用いひとつの器にしたい、そんな思いから始まったのが甲斐陶房の練上です。

練上げは2種類以上の色の違う土を用い意図的・即興的に模様を作る技法です。
練上げの基本は同じ粘土を用い顔料の入れすぎに注意する事です。土の成分の違いや収縮率・収縮のスピードが
異なる土を使用するとヒビが入り易くなってしまうからです。
しかし、甲斐陶房が練上げで表現したいのは違いが混ざり合う事なので基本は無視し、あえて質の異なる土を
使うようにしています。

この考えが強く現れているのが、世界の人々をテーマにした、作品名“せかいのいろシリーズ”です。
ひとつ間違えると誤解を受け人種差別問題になりそうなテーマですし、単純にアジア人57%・ヨーロッパ人21%・南北アメリカ人14%・アフリカ人8%といった人種別人口比では片付けられない歴史的・民族的・
政治的な問題があります。また、多くの色を用いれば良いという訳ではないので粘土の組み合わせや割合に悩みました。

最終的な考えは、4つの基本色(黒・赤・黄・白)を用いる事。それぞれの基本色を核にして、その周りに基本色とは異なる12色を付けて4つの塊をつくる事。 その4つの塊をひとつにして表現する事にしました。

練り上げで一番大切に考えている事は、独自の色・混ざり合う色・あいまいな色が合わさりバランスを保ち、
より良い景色に創り上げることです。
そして、生まれ・肌や目の色・考え方すべて異なる人々の協力とバランスで、より素晴らしい未来が生まれる事を願います。


Ifシリーズ

もし、こんな器があったら・・・。
不思議な器があって、その器に願いを込めると人を超越した能力を持つ事ができる・・・、そんな器があったら面白いのに。そんな想像から始まったのがIfシリーズです。
あくまで架空の設定でそんなパワーは器に宿っていませんが、かなり本気で制作してます。(笑)

例えば、Ifシリーズの“風”は、自然現象や気圧に関係なく風を操れたら・・・と想像していたら創りたくなりました。 風が刀のように変化して人の悪い心だけ切り放してくれる不思議な力を持ち、汚れた空気を一掃してくれる掃除機になり、会いたい人の元まで運んでくれる乗り物にもなり、そよ風で人を優しい気持ちにしてくれる不思議な器。 こんな器があったら世界中の揉め事や戦争はなくなるのに・・・。 想像は膨らみ、カタチを変えて、Ifシリーズの“風”は続いていきそうです。

カボチャを眺めていたら浮かんできたのが、作品名“不老不死”です。“不老不死”は作品名のとおり、若さを保ちながら永遠の命が授かる器。
カボチャは、形が多様で面白く、栄養バランスも高く、食材としても優れていることから想像が広がりました。
ちなみに、人には寿命があったほうがいいと個人的には思っています。 健康で長生きしたいものです。

馬鹿馬鹿しいかもしれませんが、世知辛い世の中なので、Ifシリーズのストーリーを楽しんで頂ければ嬉しく思います。


にんげんだもんシリーズ

きっかけはダルマのように起き上がる器をつくりたいという思いからです。
“何度転んでも立ち上がる”という想いを込めて作り始めたのですが、制作中に何か違和感を覚え作業を中断してしまいました。 生きていく上で努力をするのは当たり前ですが、人と接するのが上手ではない私たちは、友人知人お客様や地域に支えられ守られて生きています。 また、支えられていない人は一人もいないと感じ。
この作品はその要素が入っていなければならないと思いました。
そして、新しいコンセプトは、ダルマとは真逆で自ら立てず支えが必要、2つが揃って初めて成り立つような器にしました。 また、固定していないので、その日の気分で向きや角度を変え自由気ままに楽しんで頂く、そういうカタチが甲斐陶房らしいと思いました。
“人に花が咲く”と云うフレーズがとても好きです。
人間をイメージして創った器ですし、出来れば花器として使って頂けると嬉しく思います。


架空生物シリーズ

毎日悲惨なニュースや耳をふさぎたくなるほど卑劣な事件を耳にします。 どこかに悪い奴らをやっつけてくれる正義のヒーローでもいないだろうか? そんな事を考えていたら創りたくなったのが架空生物シリーズです。
世の為人の為、悪を懲らしめる正義のヒーロー達のストーリーです。

作品名“ジャマダメ〜ヨ”
人の恋路を邪魔する輩、作り話で人を騙す輩、頑張っている者の悪口を云う輩、そういう輩の口を食べてしまい二度と話せなくしてしまう生き物。   それが“ジャマダメ〜ヨ”!
特に、被害者のふりをして陰口を叩く輩の口が大好物、そういう輩をジャマダメ〜ヨが狙っています。


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